『ザ・幕末!会津藩』~江戸湾警備から斗南後まで~
会津藩は三代将軍家光の弟、保科正之(ほしなまさゆき)から始まります。
正之は四代将軍家綱の後見役(こうけんやく)として常に幕政の中枢にあり、その後の約二百年に及ぶ日本の泰平の基礎を築きました。
正之はその生涯の殆どを江戸で過ごしましたが、国元の政治にも力を注ぎ、藩の制度と民政、さらに独自の藩風を確立させました。特に彼の制定した「家訓(かきん)十五箇条」はその後の藩政の指針して歴代藩主に受け継がれていきました。
そして幕末、ペリー来航に始まる日本の激動の時代において、会津藩が選んだ苦難の道のりはこの家訓の精神を遵守したからに他なりませんでした。
(中略)
会津藩はあくまでも朝廷のため、徳川宗家のための立場を貫き、混迷する京都の政局に「忠」と「義」と「誠」の精神で臨みました。しかし時代の大きな流れには抗いきれず、かの白虎隊の自刃に象徴される会津藩の散華は近代日本の礎となったといっても過言ではありません。
本特別展では、黒船来航にともなう江戸湾警備から京都守護職の拝命、鳥羽伏見の戦い、会津戦争、斗南移封までの藩の運命をかけた時代をふりかえり、合わせて逆風の明治を力強く生き抜いた会津藩の人々を史料や写真とともに紹介します。